(20140407)イノサン 4巻

3巻から続いている、ムッシュー・ダミアンの八つ裂きの刑を中心に描かれています。


八つ裂きというグロ描写を、あらゆる比喩表現で次々と繰り出すのはまさに圧巻。
作者の坂本先生は「孤高の人」の途中からこういう表現が目立ってきましたが、ここまで来ると、この比喩表現で何でも表現出来ちゃうんじゃね?と思えるほど。


そして処刑が終わっても、まだまだ物語は終わらない…。


主人公のシャルル・妹のマリー
罪人のムッシュー・ダミアン・そしてマルトBBAの活躍
気のいいニコラおじさんのダメっぷりを存分に楽しみましょう。


しかしこの巻だけ読むと、マルトBBAのラスボス感が半端ねえ…。
あと、「ようじょ」のあんな姿やこんなシーンが堂々と描かれちゃうのは、別の意味で凄いと思いました。
「来いよアグネス!銃なんか捨ててかかって来い!」という力強さを感じますね!





(20140307)仁義なきキリスト教史

キリスト教2000年の歴史を、わかりやすく解説した教本です。


これだけ書くと、何だか小難しい解説本のように思えますが
エスパウロ、ルターなどの登場する人物の大半が
なぜか広島弁を話す「やくざ」に置き換えられています(′・ω・`)


たとえば、イエスが処刑される際、最後に発した言葉

「Eli, Eli, Lema Sabachthani?(エリ・エリ・レマ・サバクタニ)」


これが普通に和訳されると

「我が神よ……我が神よ……何ゆえに我を見捨てたもうや」 


となりますが、この作品のイエスだと

おやっさん……おやっさん……なんでワシを見捨てたんじゃあ!」


と、まるで仁義なき戦い」チックな、大変分かり易く、そして血なまぐさいノリになってしまいます。
そう。こういう作品なのです。



作品の構成は、任侠道あふれるイエスの生き様や最期・イエス死後のやくざ教会の動向・豪快すぎる伝道師、パウロの活躍・十字軍のgdgdっぷりなどが描かれた、全8章+@仕立ての小説で、エンタメ性が重視された娯楽作品です。


そのため、かなりの演出も盛り込まれていますが、その分スラスラ頭に入っていき易いと思います。
仁義なき戦いとか龍が如くとか、そういう世界観を思い浮かべながら読んでいくと、丁度良いかも知れません。



最後まで読み終わった頃には、広島弁のやくざ口調で宗教談義を語っているところを想像するだけで笑いがこみ上げるようになってしまいました。


すげえよ広島弁


パウロが活躍する4章ぐらいまでは、漫画ゴラクあたりで劇画化したら面白そうだなーと思いました。
個人的には渡辺保裕先生辺りが描いたら、とんでもないものが出来上がっちゃいそう(;´Д`)



仁義なきキリスト教史 公式サイト





(20140218)ナポレオン〜覇道進撃〜 6巻

今回は「アウステルリッツの戦い」が中心。
アウステルリッツの戦いは、前作「ナポレオン〜獅子の時代〜」第1巻の冒頭でも描かれていましたが、今回はちょっと別の視点から描かれています。
読み比べてみるのも、一興かもしれません。
(比べてみると、表紙もそっくりに描かれてますね)


というか絵のタッチが連載初期と今とで結構違っているから、ミュラやランヌとか、ロシア軍の面々とかが、なんだかえらい別人に見える(汗)





(20140213)戦闘破壊学園ダンゲロス 5巻

今回の見所は、要約すると

(1)あっさり終焉しちゃうハルマゲドン


(2)いちいち激しいポージングを取りながら演説するド正義さん


(3)触手レイプ!レイプ魔と化した赤蝮先輩(しかも無修正)

まあ、実質(3)のインパクトが半端無いです。


そう。この単行本の表紙のバックにそびえ立つ、ヤツが終盤で大暴れしてしまいます。
5巻の最後は、この赤蝮伝斎インパクトが強烈過ぎて、美味しいところをぜーんぶ持って行ってしまいます。
行動、言動、全てが迷シーン…!



そもそも単行本の帯に「拙者、バイセクシャルにござる…!」などと書かれている時点で
本屋さんのレジに持っていく行為自体が、一種の羞恥プレイと化しているのですから恐ろしい…。


いやあ、正直、良くもまあ漫画化出来たよなあ…。あのシーン…。





(20140212)磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜 1巻

ONE PIECE」の代原尾田栄一郎先生が扁桃周囲膿瘍で入院して休載になったのでその穴埋め)として、突如週刊少年ジャンプに掲載され
そのあまりのシュールさとゆるさ、浮世絵、そして物凄いセンスに、多くの読者に衝撃を与えました。


その後も数作の読みきりジャンプLIVEの宣伝漫画の掲載を経て、ついには連載まで勝ち取ってしまった、ある意味とんでもねえギャグ漫画です。


この間わずか5ヶ月…!
なんだこのサクセスストーリーは。たまげたなぁ…。



連載後も公式でFLASHアニメが作られたり






イギリスまで春画展に取材に行ったりと、なんだかジャンプ編集部内でも、ものすごい期待の」されようです。


そしてそんな作品が、満を持してついに単行本化ですよ!
本屋さんによっては、即品切れ状態で、重版待ちだそうですよ。
ひええええ。



単行本では、連載分だけではなく、読み切り版磯兵衛2作とジャンプLIVEの宣伝漫画2作も収録。
また、描き下ろしのおまけ4コマも収録!だけではなく
極めつけは、帯のあらすじ文やアオリ文まで収録されているという
なんだかものすごい力の入った、至れり尽くせりのサービスっぷり!
こりゃ、担当編集も相当頑張っちゃってるぞコレ!



さて、読んだ個人的な感想ですが…。
つくづくゆるキャラな磯兵衛、実は超人な母上様(くそばばあ)、犬に団子屋の娘など、主要キャラだけでも十分にキャラが立ってて、じゅうぶんに面白いのですが、
歴史上の人物をうまい事自分のキャラとして使ってるところが、特に凄いと感じました。
徳川15代将軍を兄弟化させちゃうとか、普通は考えつかないと思いますぜ…。アレは本当に凄いと思いました。


しかしいつ読んでも、一発目の読み切り版磯兵衛(143ページ)の破壊力はとんでもないな…。
こんなのがいきなり、「ONE PIECE」の掲載位置(かなり前のほう)で、代原で載ってたら、そりゃ誰でもぶったまげますわな…。


どうせなら、こっちもアニメ化して欲しかったで候。





(20140127)日常 9巻

単純に買い逃してました(面目無い)。ゆるしてヒヤシンス。


正直「日常」のお話を読むのも、めっちゃくちゃ久しぶりだったんですが、普通に頭の中にスーッと入っていくからすごい。


既存キャラもシュールですが、新キャラも負けじとどシュールです。一体おはなしは何処まで膨らんでいくのやら。
とりあえず、ダブルチーズバー子の存在感がやばいと思います。あんなん反則やでぇ…。
(何気に7巻に伏線があるのに気付きました。読み返して「すげぇ!」と思った(′・ω・`) )




巻末にある最後のお話は、ちょっとドキッとさせられることでしょう。いろいろと妄想というか、想像が膨らみますね!


そっかー。はかせはいつも下は穿かないのか…。





(20131203)ロックアップ 1巻

「TOUGH-タフ-」「GOKUSAI」猿渡哲也先生が描く、どこか哀愁の漂うプロレス漫画です。


貧乏インディ団体「あかつきプロレス団」の社長、サムソン高木(末期ガンな上に身体じゅう怪我の後遺症でボロボロ)が、激しい試合でさらに身体を痛めつけながらも、今日もお客さんのために試合を盛り上げていく…。



勝利を度外視し、ひたすら試合の盛り上げに徹する。
普段はみっともない姿も見せまくるものの、リングに上がり、相手レスラーの大技を何度も受けながらも立ち上がっていくサムソンの雄姿は、確かに見る者を唸らせるものがあります。
この編は格闘描写に定評のある猿先生ならではと言ったところっスね。


もちろんいつもの


珍妙なリングネームのレスラー達(大半がマネキンモブ)


ボボパン(格闘描写の擬音)


キ ャ ア ア ア(PC書き文字)


残虐グロ描写


などといった猿テンプレも健在ですので、某スレ住人も安心っスね。


個人的には第3話の冒頭4ページの、「俺は生まれた時から怪物だった」ではじまる、猿テンプレ全開なレスラー紹介シーンが見ものですね
(その後の自虐的なツッコミも含めて)。



あとはヤクザとサド看守が出てくれば、もう完璧っス(′・ω・`)






●おまけ


せっかくだから「GOKUSAI」の時みたいに、テンプレ台詞集を、適当にかき集めてみました。
コレを見て買う気になったそこのマネキンモブは、今すぐ書店・コンビニへ走れ!

【ロックアップ第1巻 テンプレ台詞集】(第3話まで)


大丈夫だ 心配すんな


名前も知らない 顔も分からない とにかくすっごくおっきくてたくましいひとだった


“究極クズ・マシーン”ゲス クズオ


“絶倫戦士”シル弾勇


変態兄弟 ハリケーン・ツインズ


神様も色々忙しいからよ これぐらいでかい音で拍手打たねえと出てきてくれねえと思ってよ


やられてもやられても立ち上がる…俺 盛り上がる…客 
やべっ 俺…カッコいい 生きても死んでも“伝説”になっちまう


俺は生まれた時から“怪物”だった 父親は素手でヤクザ7人を殺し 警官との乱闘の末射殺された怪物
殺人犯だった母親は獄中で俺を生み…死んだ
生まれて初めて口にしたのは母乳ではなく母親の血だった
怪物のDNAを受け継いだ俺は手がつけられない悪童として成長した


そして伝説の“タマガワ・バトル・ナイト” 地元の不良(クズ)30人をたった1人でぶちのめした 


信じてもらえないかもしれないが ほ 本当は暴れたくないんだ 誰も傷つけたくないんだ
だけど 血が…血がたぎる… 忌まわしい怪物の血が俺を凶暴にさせるんだっ


それになんか格闘クソマンガによくあるなキャラ設定というか センスがないというか


あのネズミのいる夢の国と同じだよ 普段はオナニーばっかりしている冴えない兄(アン)ちゃんでも
ネズミのかぶりもんしてる時は 精一杯愛嬌振りまいて 若いお姉ちゃんに大人気だろうが


半分にも満たない第3話までで、このテンプレ台詞の数々…。さすが猿先生っスね。
コレならマネキンモブも大満足っスね(ニィーッ)